【コラム】父の記録と種馬~ディープインパクト産駒、史上最速の通算1800勝達成のニュースに際して

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

先月の1月12日(土)、中山9Rの成田特別で3番ミッキーポジションが1着となり、ディープインパクト産駒の通算勝利数が1800勝となった。1800勝は史上2頭目の快挙、産駒初出走の日から数えて8年6ヶ月24日での1800勝は史上最速の達成となった。

記録というものは新しい時代と共に塗り替えられるものだが、中にはこの記録は一生塗り替えられる事はないだろうと言われる記録もいくつかる。その1つが2005年に武豊騎手が更新した212勝という年間最多勝記録、この記録は昨年C・ルメール騎手によって215勝に塗り替えられた。年間200勝なんて夢の領域で、今の競馬は外国人ジョッキーを買えば当たると言われるように、当時は武の馬を買えば勝てるとまで言われた。

記録の塗り替えは競走馬の世界でも頻繁に行われている。競馬の世界だけではなく勝負の世界では、優勝者は称賛されるが2位以下はおざなりになる事が多い。競馬で例えるとG1馬は種牡馬になれる可能性が高いが、2着では種牡馬になるのは難しい。G1競走で2着を何回もするよりは、1回でも勝つ方が大きい。

ディープインパクトは国内13戦12勝の名馬であり、3歳クラシック(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)を全て制覇した三冠馬。実は同じ3歳馬でディープインパクトに勝てず、皐月賞2着、日本ダービー2着のシックスセンスという馬がいる。ディープインパクトがいなければ皐月賞、日本ダービーと2冠馬になれたかもしれない馬だったが…これも運命というべきだろうか!シックスセンスは運よく種牡馬になれたが、現在ディープインパクト産駒の競走馬が中央に600頭~700頭いるのに対し、シックスセンス産駒の競走馬は1頭もいない。

勝負の世界において勝つということがどれだけ大切か!ディープインパクトは国内の競走で1度だけ負けたことがある。それが2005年の有馬記念、常勝ディープインパクトに土を付けたのがハーツクライ。鞍上は昨年、年間最多勝を更新したC・ルメール騎手。
この後にハーツクライはドバイでシーマクラシック[G1]を勝つが、国内でG1を勝ったのはこの有馬記念1回だけである。ハーツクライも引退後は種牡馬になり、現在も500頭以上の競走馬がいる人気の種牡馬となった。

種牡馬界で数々の記録を打ち立てたのがサンデーサイレンス。当時を知るファンなら凄さが分かると思うが、重賞競走で1着~3着の馬がサンデーサイレンス産駒なんていうことが良くあった。時には5着馬までサンデーサイレンス産駒が独占することもあった。
サンデーサイレンスはディープインパクトやハーツクライのお父さんで、父の記録を塗り替える為に、ディープインパクト産駒の馬達が勝ち星を重ねている。
偉大な父の記録を塗り替えるのは息子であり、ディープインパクトが打ち立て記録もまた、ディープインパクトの子ども達が塗り替えていくのだろう。

※「うまLINEウェブ」公式LINE@では毎週土日のの重賞レースの【買い目】無料配信中!LINE@友だち追加するだけ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加